<九州南部豪雨災害 ボランタリープラザが現地調査>
「コロナ対策とボランティア支援の両立を」
兵庫ジャーナル 2020.07.16wrote

  新型コロナウイルスの発生で、ボランティア支援のあり方も模索が始まった。九州などで大きな被害が出た令和2年7月豪雨災害。熊本県の社会福祉協議会では、新型コロナの感染防止のため当面、県外からボランティアを受け入れないことにしている。そのような状況の中、兵庫県における災害ボランティア派遣の中核を担うひょうごボランタリープラザは15日、熊本県の八代市と人吉市で、高橋守雄所長ら職員3人が現地調査を行った。高橋所長は、「週末には県内からボランティアが駆けつけているようだが、被害は大きく広範囲で、復旧はこれからという状況だった。今後、台風の襲来が懸念され、早急に多数の人手が必要。一方で、高齢の方も多く感染への不安は大きい。事前登録制による県外からの派遣など、対策を兵庫県や被災地自治体、関係機関と検討し、迅速に対応したい」と話している。
 同プラザでは7日、「令和2年九州南部豪雨災害兵庫県ボランティア支援本部」を立ち上げ、同日午後、県社協の職員、県感染症対策課の職員も加わり、第1回本部会議を開催した。
 被災地の状況報告などを踏まえ、今後の活動などについて協議。同プラザの高橋所長は、「コロナ禍でのボランティア派遣は初めてとなる。被災者と支援者の感染を防ぎ、健康を守ることを第一に一日も早い生活再建につなげたい。そのための基本方針や注意点を話し合いたい」と呼びかけた。
 その上で、昨年の台風第19号による被害など、これまでの被災地の状況から「初期段階で10万人のボランティアが必要と考えられる。熊本県内だけで充足できるのか非常に心配。まずは支援ニーズを把握したい」と述べ、被災地の意向に配慮することを前提としつつ、調査隊を派遣することを決めた。
 15日早朝、神戸を出発。午後、熊本県に入り、八代市、人吉市の家屋被害が大きい地区などを訪れ、周囲の被害状況を調査した。
 帰庁後、高橋所長は、「住民や地元自治体、ボランティアセンターの関係者らとも意見を交わしたが、県外から人が来ることで、新型コロナの感染が発生する不安は拭えない。同時に多くのマンパワーの必要性は一致している。『コロナを持ち込まない、持ち帰らない』新しいルールを早急に打ち出すことを約束した」と説明。
 その上で、今後の派遣体制として、「出発の2日前からの検温など健康管理の徹底」「事前登録制度として、感染者が発生した時の連絡体制を整える」ことなど、検討の方向性とともに、「数十分単位で休憩、水分補給を行うなど、熱中症対策では、これまでの災害ボランティアの経験が役立つことも多い」と語る。
 また、県が昨年度創設し、台風第19号災害で初適用された災害ボランティアの旅費・宿泊費の助成制度の活用も県と協議する考えを示した。
 高橋所長は、「コロナと災害支援を両立させなければ、ボランティア文化が衰退する。いち早く兵庫のボランティアが活動できるよう、この困難な課題に挑みたい。兵庫モデルをつくることで、全国のボランティアが動く」と震災を経験した兵庫の責務を強調する。
 さらに、高橋所長は今回のコロナ禍で、多くの人が離れた場所から医療関係者への感謝や励ましのメッセージを伝えたこと、支援基金への寄附、手作りマスクの贈呈、元看護師らによる電話相談への支援など、「ボランタリーな心で人に寄り添う取り組みが多数あった」と指摘し、「この経験を踏まえ、被災者の心に寄り添う活動など、ポストコロナ社会におけるボランティアのあり方を提案できれば」と話していた。