<第349回定例県議会 感染症対策で論戦>
ポストコロナ先導する兵庫づくりへ
兵庫ジャーナル 2020.06.17wrote

 第349回定例県議会は12日、自民党・岡つよし、ひょうご県民連合・中田英一、公明党・県民会議・越田浩矢、維新の会・岸口みのる、4会派4議員が代表質問に立ち、15日の一般質問には5議員が登壇、新型コロナウイルス感染症対策の評価や今後の対応について質した。
 17日は6月補正予算案などを可決するとともに、正副議長選挙を行い、第123代議長に原テツアキ議員(70)(自民・4期・淡路市)、第128代副議長に春名哲夫議員(68)(自民・3期・宍粟市)を選出し閉会した。
 閉会あいさつで井戸知事は「今回のコロナ危機は社会の一大転機となる。ポストコロナ社会の創造に取り組まなければならない。創造的復興を成し遂げた県民の知恵と力を再び結集して、日本を先導する兵庫づくりに取り組む」と訴えた。
 代表質問では、自民・岡議員、公明・越田議員がコロナ禍における知事のリーダーシップについて見解を求めた。
 中で岡議員は、震災の影響により他府県より厳しい財政状況にありながらも大阪府と同水準となる最大100万円の休業要請事業者への経営継続支援金事業を創設したこと、さらに感染者の自宅療養者を一人も出さず全て入院させ、家族への感染を防いだことなどを評価。
 越田議員も県がクラスター対策など、着実で地道な対応を積み上げたことにより、大阪府より早い段階で感染の抑え込みを実現したことに敬意と感謝を表した。
 しかし、こうした実績が正当に評価されていないことを、両議員とも指摘し、県民に対する知事のリーダーシップ発揮や、効果的な情報発信のあり方について質した。
 さらに、維新・岸口議員は、「関西広域連合が積極的に府県間の連携・調整を担えたのではないか。兵庫、大阪、京都3府県の連携・調整が十分であれば、もっと違った取り組みや情報発信ができたかもしれない」と関西広域連合長である井戸知事に問うた。
 井戸知事は、他県と異なり、対処方針を示し、対策の全体像を明らかにしながら総合的に進め、あらゆる媒体を活用して県民に理解と協力を求めてきたことを説明。その上で、情報発信のさらなる充実を図るとともに、「感染予防のための新たな生活様式『ひょうごスタイル』を推進し、県民の安全安心の確保を図る」と知事としての決意を表明した。
 また、新型コロナ対応での課題を踏まえ、「休業要請等に対する補償・支援の法整備と財源措置」などを国に提案していることを明らかにした。
 関西広域連合の取り組みでは、「3府県が緊密に連携し、外出や往来の自粛、休業要請とその解除の内容やタイミングに整合性を図り、府県間の移動、接触機会の抑制に努めた。これには関西広域連合が日ごろから連携してきた実績が基礎にある。結果、首都圏に先立って緊急事態宣言が解除された。今後も連携、協調し、次なる感染拡大の波に備えるとともに、社会経済活動との両立に取り組む」と訴えた。
 日本経済戦後最大の危機といわれる状況を踏まえ、今後の県の財政運営についても質問があった。自民・岡議員は「今定例会に上程されている補正予算により、真のV字回復につなげなければ意味がない。やると決めたら覚悟を決めてやる。その上で中長期スパンでは財政規律を守る姿勢を示すことが重要」と訴えた。
 県民連合・中田議員は、「コロナからの復興に向けた財源を確保する必要がある。そのため、この未曾有の危機に際して、事務事業および当初予算の抜本的な見直しをすべきではないか。少なくとも但馬空港の滑走路延長や2万人規模のアリーナ設置など数百億円規模の新規大型投資事業は、着手前に慎重に再検討すべき」と求めた。
 井戸知事は、「社会経済に大きな影響が生じており、回復にはかなりの期間がかかると見込まれる。今後の税収、国の財源措置を十分見極めながら、新しい災厄に対応した本県らしい財政運営を進める」と語った。
 大規模投資事業については、「県の財政フレームの状況を踏まえつつ対応を検討する。指摘の但馬空港、アリーナなども計画通り進めるかの対象となる」と方針を示した。

 さらに、新型コロナの第2波に備えた医療・検査体制の強化などについて質問が相次いだ。
 井戸知事は、「感染状況が落ち着いている今こそ、次の波を見据えた対応が必要」として具体の取り組みを説明。
 保健所機能については、職員配置などの体制強化に加え、感染者の症状や行動歴を一元的に整理し、関係者間で共有する「感染者等情報把握・管理システム」の導入を図る。
 検査体制については、健康科学研究所への新たな自動化システムの導入、民間検査機関の活用などで処理能力を向上させ、1日約1、500件体制を確保する。
 また、圏域単位で県医師会などと連携し、「地域外来・検査センター」を新設し、受診機会を拡充。医療用資機材は医療機関で約3カ月分相当を確保した上で、県がさらに約6カ月分相当を保管する。
 病床については、現在200床体制を維持しているが、患者数の動向にあわせて500床を確保するシナリオを用意している。
 事業者支援、需要回復に向けた実効性ある取り組みも求められた。
 答弁で井戸知事は、「コロナ対策が効果をあげるまでの期間、事業を継続できる環境整備が必要」として、制度金融として1兆円の枠で5つの資金制度を設け、日々100億円を超える融資申込みがあることを説明。6月からは、限度額5千万円の無保証料貸付を創設し、「資金繰り支援に万全を期す」とした。
 需要回復の取り組みでは、@商店街で使用できるプレミアム付き買物券事業、A飲食店の前払いサービスへの支援、Bお土産券付き宿泊サービスの実施、Cバス旅行造成やツーリズムバスの拡充、Dスポーツ・文化活動の合宿補助、などの事業をあげ、「国や市町の施策とタイアップして相乗効果を発揮させる」と賑わい復活に期待した。

 17日の議長選挙は出席議員数86のうち、原テツアキ議員79票、ねりき恵子議員(日本共産党)5票、原吉三議員1票(自民党)、無効1票となった。
 原新議長は、「令和2年は震災から25年という大きな節目の年。コロナ禍の経験、教訓を踏まえ地域分散型社会の道筋をつける時。変化を乗り越え、地域創生が必要な今こそ、議会と県民はともにあるとの認識のもと、それぞれの地域で今、何をすべきか積極的に提言しなければならない」と全議員に呼びかけた。
 そして、「県民との参画と協働なしに現下の困難に立ち向かうことはできない。不屈の精神を持ってすれば、いかなる困難も乗り越えられると確信する。兵庫の将来を左右する重要な時であり、重責に身が引き締まる思い。新たな一歩を踏み出す1年となるよう、議長として全力を尽くす」と決意を表明した。
 副議長選挙は、春名哲夫議員47票、石井秀武議員(ひょうご県民連合)38票、無効1票で春名議員が選ばれた。
 春名新副議長は「新しい生活様式の確立、第2波の備えが緊急課題。ポストコロナ社会創造の第一歩を踏み出し、『すこやか兵庫』を実現するため、『一生懸命やったら知恵が出る』をモットーに力を注ぐ。また、議会広報委員長として、若者やお年寄りの視点に立った多彩な広報活動を通じ、多くの県民に開かれた議会の実現へ着実に議会改革を進める」と意欲を示した。
 また、議会選出の監査委員に自民党・北野実議員、公明党・県民会議・しの木和良議員を任命した。
 関西広域連合議会議員には、自民党の山本敏信議員、大谷かんすけ議員、維新の会の徳安淳子議員を選んだ。