<新型コロナ緊急事態宣言で県が対処方針>
知事メッセージ「さらなる外出自粛、冷静な対応を」
兵庫ジャーナル 2020.04.08wrote

 令和2年1月6日、井戸知事は県幹部職員への年頭のあいさつで「いつ何が起こるか分からない不穏な時代。緊張感を失わずに」と訴えた。現状を予見するかのように、中国湖北省武漢市で確認された新型コロナウイルス感染症は、全世界に拡大した。
 1月7日、県は県医師会等3団体へ注意喚起文書を発出。15日、国内で初めての感染者が確認された。28日、県は近畿圏内・奈良県での患者発生を受け、警戒本部を設置。29日、健康科学研究所に検査体制を整備し、県庁及び健康福祉事務所に県民相談窓口、31日に県庁、ひょうご・神戸経営相談センターに経営等相談窓口を設置した。
 2月3日、クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス号」が横浜港に入港。7日、県は帰国者・接触者相談センター(健康福祉事務所)及び帰国者・接触者外来を設置。そして13日、 国内で初めて新型コロナウイルス感染者が死亡した。
 18日、第347回定例県議会が開会。21日、影響を受ける中小企業を支援する新型コロナウイルス対策貸付の創設などを盛り込んだ元年度補正予算案を上程した(3月4日、可決)。
 27日、安倍首相が小中高校等の全国一律の休校を要請。
 28日、井戸知事は会見を開き、県立学校については当面2週間臨時休業を実施し、小中私立学校等についても要請することを発表(その後も休業が続く)。また、24時間体制で電話相談を受け付ける県コールセンター(総合相談窓口)を設置。
 3月1日、県内で初めて新型コロナウイルス感染症患者の発生が確認された。知事を本部長とする対策本部を設置。井戸知事は県民へのメッセージを発信し、検査・医療体制の強化など関係機関と緊密に連携し、県民の安全を最優先に感染拡大防止に向けて迅速かつ的確に対応していくことを表明。
 4日、県議会が感染症対策の充実・強化を国に求める意見書を可決。県内では全国最多3箇所のクラスターを中心に感染患者が拡大。17日、予算特別委員会の総括審査で井戸知事は「これ以上のクラスター化は絶対に防止する。患者の疫学検査の徹底、状況把握により、封じ込めを徹底する。2次、3次感染になっているかどうかの対応の是非が問われる。患者からさらに患者が増える事態は絶対に阻止する」と訴えた。同委員会審査では、医療体制の強化、マスクなどの確保、学校休業への対応、中小企業支援など経済対策等についての質問が相次いだ。
 20日からの3連休で兵庫県と大阪府の往来自粛要請が突如、個別に行われる。
 県は、総額27億8300万円規模の新型コロナ対策補正予算案を編成し、23日の議会に上程。質疑で、答弁に立った井戸知事は、中小企業への支援などについて「オール兵庫の体制ができつつある。県が扇の要役を果たし、この難局、危機を克服する」と表明した。閉会日の25日に補正予算を可決。
 24日、医療関係者らで構成する新型コロナウイルス感染症対策協議会を開催。医療体制の確保、帰国者への対策、不要不急の往来自粛などの提言をまとめ発表。また、東京オリンピックの延期が決まる。
 世界的に感染が拡大、日本においても海外からの帰国者による感染が各地で相次ぐ。県は国の専門家会議で示された、まん延の状況に係る地域区分で「感染確認地域」に該当。
 4月3日、県対策本部会議を開催。学校春季休業明けの当面、4月8日から4月19日までの間は臨時休業の実施に関するガイドライン等を踏まえ、一定の行動制限・時間制限を設けたうえで授業を行うことに。4〜5日の発生状況を踏まえ、6日、当面4月19日までの間、 原則、第1学区から第4学区は、臨時休業とし、緊急事態宣言が出た場合は改めて検討することに。
 7日、安倍首相が新型コロナウイルス感染症に係る緊急事態宣言。県も緊急事態措置の実施区域に。県は対策本部会議を開き、「兵庫県対処方針」を決めた。井戸知事は県民へのメッセージを発表。「県の感染状況は、東京都や大阪府のような大幅な感染拡大ではないものの、感染経路の不明な症例、帰国者・若者の感染者が増加しており、予断を許さない状況」と現状を示した。
 その上で、「新型コロナウイルス感染症に係る兵庫県対処方針に基づき、引き続き、県民の安全を最優先に『クラスターの解消』『感染者からの第2次感染の封じ込め』『海外帰国者対策』を中心に、感染拡大防止に向けた取り組みをさらに強化して推進する」と今後の対応を示した。
 そして、@外出のさらなる自粛(みだりに居宅等から外出しない。人口密集地との不要不急の往来については、当面、自粛。「三つの密」(密閉・密集・密接)が重なる懸念がある集会、イベントへの参加の自粛)A冷静かつ適切な対応(医療機関、スーパー、金融機関など県民生活に必要な施設等は営業を継続することから、食料、医療品、生活必需品の買い占め等を行わない)ことを県民に要請した。
 県対処方針では、医療体制、県民や企業への要請事項など、緊急事態措置を明確にした。
 医療体制では、一定の感染症予防策等が講じられた病床5百床を確保するなど入院体制を強化。具体的には、県立加古川医療センターを県内全域の患者に対応する「新型コロナウイルス感染症拠点病院」に、神戸市立医療センター中央市民病院及び県立尼崎総合医療センターを重症患者等に対応する「新型コロナウイルス感染症重症等特定病院」にそれぞれ位置づけ、重症者対策を強化するとともに、この3医療機関で4月中旬を目途に100床程度の病床拡充を図る。加えて、その他の感染症指定医療機関及び公的・公立医療機関等に病床確保を要請し、4月末までにさらに150床程度確保。合計500床の確保を図る。
 さらに、患者の増加に伴い、重症患者の入院医療に支障が生じないよう、原則として入院後の無症状者や軽症者の宿泊施設での療養等に向け、宿泊施設を確保し、医師・看護師等医療体制を整備し、療養を開始する。
 また、関係団体を通じて企業等に対して、時差出勤、在宅勤務(テレワーク)、自転車通勤など人との交わりの低減、職場における感染防止(手洗い、咳エチケット、換気励行等)などを求める。
 飲食料品・生活必需物資供給、食堂・レストラン、金融・物流運送など、県民の安定的な生活の確保や社会の安定の維持に必要なサービスについては、来客及び従業員に対する感染防止措置を徹底した上で、営業の継続を要請する。
 翌8日には8府県4政令市で構成する関西広域連合(連合長=井戸兵庫県知事)が兵庫県災害対策センターで対策本部会議を開き、府県を越えた移動を控えるよう求める「関西・外出しない宣言」をまとめ発表した。このほか、「重症者のための病床確保や軽症者等を受け入れる民間ホテルなどの確保をさらに進める」「医薬品・医療資機材及び医療専門人材の融通、検査や患者受入体制の連携など広域的な医療連携を着実に進める」ことなどを申し合わせた。
 終了後、井戸連合長と吉村洋文大阪府知事が会見を開いた。まず、吉村知事が「危機意識と関西が一体となって対策を進めることで一致した」とし、「仕事での最低限の移動は仕方ないこととしても、できるだけ府県を越えた移動を行わないよう、連合長のもとで宣言を採択した」と説明した。
 井戸連合長は、「府県民に分かりやすく、しっかりとアピールするため宣言を出した。新型コロナに県境はない。広域連合が一致団結して取り組む」と強調した。