<第345回定例県議会が開会・9月補正予算案を上程>
災害への備え、社会的緊急課題に対応
兵庫ジャーナル 2019.09.12wrote

 第345回定例県議会が24日開会、議案49件が上程された。平成20年度から11年間にわたり取り組んできた行財政構造改革を総括する平成30年度決算案に加え、一般会計で約22億2千万円、総額で約79億3千万円にのぼる9月補正予算案などが審議される。提案説明に立った井戸知事は「南海トラフ地震をはじめ、いつ起こるか分からない災害への備え、高齢者による交通事故、ひきこもりへの対応など社会的解決が要請される課題、緊急を要する事業が生じている。これらに適切に対応する」と事業効果の早期発現に力を注ぎ、安全安心を確保することを強調した。
 9月補正予算案は、国補助金・交付金や地方交付税措置のある起債など有利な財源措置を最大限に活用して編成された。
 防災・減災対策として、日本海津波防災インフラ整備計画、流域下水道の地震津波対策の前倒し実施や、次期出水による土砂災害の恐れが大きい砂防えん堤について、住民の安全を確保するため、緊急的に土砂を撤去する。
 安全安心対策では、高齢運転者の踏み間違い事故防止装置購入補助の創設、中高年を対象とした「ひきこもり総合支援センター」の新設、交番への防犯カメラの設置などを行う。
 さらに、スーパーコンピュータ「京」の後継機「富岳」の産業利用を促進するため、高度計算科学研究支援センターにAIやビッグデータ処理などの技術を身につけるためのトレーニング環境を整備。六甲山のさらなる賑わいを創出するため、六甲山ビジターセンターの機能を強化するなど地域の元気づくりを促進する。
 提案説明で井戸知事は、まず、県政150周年を機に昨年度策定した「兵庫2030年の展望」について、「今年度は、象徴的な取り組みをリーディングプロジェクトとして設定すべく、全庁を挙げて検討を重ねている。どこでも安心して暮らせる未来型交通システムの実証、人生100年時代の新しい働き方や暮らし方の展開などにより、兵庫の未来を拓く」と実現に向けた取り組みを示した。
 また、「少子化に伴う自然減の拡大が見込まれる。子育てに不安のない、むしろ楽しめる社会をめざして、息の長い取り組みを進める。社会増減も就業を機とした若者の転出超過が続いており、県内企業の魅力発信、オフィスの立地促進、起業の促進等により、この流れに歯止めをかける」と現在策定中の次期地域創生戦略の基本方針を語った。
 さらに、平成30年度決算について「収支均衡をはじめとした行財政運営の目標を達成することができた。この成果は県政の確かな礎となる」と、県民の理解、協力に感謝の意を述べた。
 その上で「改革を成し遂げたとはいえ、行財政運営はなお予断を許さない。昨年度策定した運営方針のもと、今後の経済情勢や国の政策動向に十分留意しつつ、県民から信頼される適切な行財政運営を推進し、五国の多様性を活かして日本を先導し、世界につながる兵庫をつくる『すこやか兵庫』の実現をめざす」と表明した。
 また、県の公文書管理に関する条例案が上程された。県議会としても主体性と責任をもって対処する姿勢を示すため、同様の条例を検討することにしている。12月議会に条例案を上程し、県と同じく来年4月からの施行をめざす。
 開会あいさつで長岡壯壽議長は震災25年を踏まえた議会の危機管理や、4年後の県議選に向けた地域代表選出のあり方の調査研究を始めたことを報告し、「たゆまぬ改革を進める」と訴えた。