<県将来構想研究会が初会合く>
新長期ビジョン策定スタート
兵庫ジャーナル 2019.09.12wrote

  県は新たな長期ビジョンの策定に向け、将来構想研究会を設置、第1回会議を12日午前、神戸市中央区の県民会館で開催した。21世紀初頭の兵庫のめざすべき社会像とその実現方向を明らかにした「21世紀兵庫長期ビジョン」の後継となる。現行の長期ビジョンは県民主役・地域主導のもと2001年2月に策定、2011年に改訂し、2040年頃を展望しつつ、2020年を想定年次として実現に取り組んできた。想定年次はあと1年。改訂後の社会情勢や人々の暮らし、価値観の変化に対応するため、概ね30年後の2050年を展望年次とした新たな将来構想・ビジョンを策定することにした。
 将来構想研究会は、学識経験者ら9人で構成し、現行の長期ビジョン審議会の会長を務める加藤恵正県立大大学院減災復興政策研究科教授のほかは30〜40代の若手が名を連ねる。
 同研究会で今後の社会潮流を調査研究し、変化のイメージの明確化を図り、2021年2月に検討結果を将来構想試案としてまとめる。これをもとに多様な主体の参画による討議や、長期ビジョン審議会での本格議論を経て2022年3月の策定をめざしている。
 第1回会議には委員7人と県から金澤副知事、水埜浩政策創生部長、池田亨計画監、守本豊ビジョン局長らが出席した。
 冒頭、金澤副知事は「変化の激しい時代を生き残るため、新しいビジョンを示さなければならない。新進気鋭の人たちに集まってもらった。新しいものを生み出すクリエイティブな会にしたい。精力的な意見を」と求めた。
 続いて、ビジョン課の木南晴太課長が有識者から新ビジョンが担う機能などを聴取した結果、「現行ビジョンは、県民の夢と希望の反映を重視して取りまとめた結果、現実から遊離した『バラ色の未来』に近いものになってしまった」「毒のある、棘のある、尖ったものにどこまでできるかで、ビジョンの値打ちが決まる」といった指摘があったことを報告した。
 意見交換では、まず座長の加藤教授が「楽しげな夢や未来を語るだけでなく、今あるものを変える」「世界と対峙するための自治体間の広域連携」「ばらまき型の構造からの脱却」などを議論の方向性として挙げた。
 座長代行の笹嶋宗彦県立大社会情報学部准教授は、若者の県外流出に関連して「学生は地域に残りたいと言っている。地元でやりたいことが続けられ、学んだことが役に立つのなら移動したくない」と学生とのやりとりなどから得た感触を伝え、「安心感があればリスクがあってもがんばれる。安心な社会をどうビジョン化するか」と検討課題を示した。
 織田澤利守神大大学院工学研究科准教授は、「東京に飼いならされているうちは駄目。東京側を向かない決意を示すべき。それがあれば尖ったビジョンになるのではないか。地域自立こそがあるべき姿」と主張した。
 阿部真大甲南大文学部教授は「自営業が減り、商店街が衰退した。自営業をどうやって増やすか」と若者が起業しやすい環境整備について言及した。
 大平和弘県立大自然・環境科学研究所講師は「子どもと一緒に体感できる何かが必要。経験の積み重ねが地域の価値観につながる。そのためのエピソードを与えることが大切」と訴えた。