<県政150周年フィナーレイベント>
参画と協働で創る兵庫の新時代
兵庫ジャーナル 2018.10.20wrote

 県政150周年フィナーレイベントが3月16日午後1時から、4代目の県庁舎・県公館で開かれ、約4百人が参加した。兵庫県誕生150年の節目に県民一人ひとりが歴史を振り返り、未来を考える取り組みとして平成30年1月から15カ月間にわたり実施された県政150周年記念事業を振り返り、未来へのメッセージを発信、ポスト150年のスタートを宣言し、兵庫の新時代をひらく決意を新たにした。

 甲南小学校・甲南和太鼓教室の児童による躍動感ある太鼓演奏でオープニング。続いて、県立長田高校生徒が作詞・作曲した県政150周年記念歌を同校音楽部の生徒が美しいハーモニーで披露した。
 主催者を代表してあいさつに立った井戸知事は、「兵庫県に生まれ育ち、活動を展開する私たちが、150周年記念事業を通じ、未来をつくりだす決意や思いを共有できたと思う。県民主体の活動によって大成功を収めた」と総括した。
 その上で、「未来の姿を県民と共有するため、兵庫2030年の展望を7月12日の記念式典で提案し、策定した。個性が強い五国が一つの県を形成するだけに、統一テーマをつくろうと『すこやか兵庫』を掲げた」と解説した。
 そして、「ポスト150年の一歩を今から踏み出す。150年先は誰も分からないからこそ、大きな夢と希望をもって、ふるさとを発展させなければならない。県民とともに新しい時代を切りひらく。五国が個性を生かし、連携、協力し、明日への情熱をもって歩んでいこう。今日はフィナーレイベントだが、ポスト150年のスタートでもある。未来への決意を共有したい」と述べ、「兵庫のポスト150年 県民の参画と協働でつくらん」と感謝の思いと明日への決意を込めた歌を披露した。
 松本隆弘県議会議長は「次世代に素晴らしい県を引き継ぐことを目的に県内各地でさまざまなイベントが行われ、交流の輪が広がった。事業の成功を礎に新しいスタートを切ろう」と呼びかけた。
 引き続き、県政に貢献のあった15分野78団体への「県政150周年記念知事表彰」の表彰式が行われ、各分野の代表に井戸知事が表彰状を手渡した。
 15カ月間の記念事業を映像で振り返ったあと、角野幸博・関西学院大学教授が実施状況を報告した。
 総計約1、500の事業のうち、県民の創意工夫による県民連携事業は1、361件で約500万人が参加。「芸術」「音楽」「歴史」「健康・スポーツ」など多岐にわたるイベントが展開され、約4割を占める「地域活性化」を目的とした事業では、世代間交流等が活発に図られたことが説明された。
 続いて、角野教授をコーディネーターに「若者によるクロストーク」が行われた。中・高・大学生の4人が登壇し、記念事業として取り組んだ活動を発表した。
 西宮市立浜脇中学校3年の藤井将雄君は、地元西宮市が人形浄瑠璃・文楽の元祖といわれる「えびすかき」の発祥の地であることから、地域住民と連携し、「西宮戎舞」の伝承に取り組み、南あわじ市の中学校とも合同発表会を実施したことなどを紹介した。
 藤井君は「伝統を今の時代につないできた人々の思いを学びました。今後も誇りあるまちとなるよう、地域の人たちと一緒に努力します」と誓った。
 県立生野高等学校2年の岸田みなみさんは、「高校生が考える県政150周年記念事業」の取り組みとして地域の魅力について調査研究し、その一環として一日観光ガイドとなって生野銀山などを案内したことを説明した。
 岸田さんは「積極的にコミュニケーションするよう努力しました。『ありがとう』『楽しかった』との言葉に疲れが吹き飛びました」と感想を話し、「将来は地元朝来市の観光コーディネーターになりたい」と夢を披露した。
 昨年1月に発足した地域創生ユースチームのメンバーである関西学院大学2年の尾前里歩さんは、「北播磨の新魅力発見」と題して外国人留学生と日本人大学生による観光ツアーを実施し、多可町などを訪問したことを報告した。
 尾前さんは、「オンリーワンの魅力を感じることが観光では大事」と提言した上で、「私は鹿児島県出身で兵庫県にきて2年になりますが、これからも住み続けたい。よそ者の視点から兵庫の魅力をもっと発見し、発信していきます」と意欲を語った。
 神戸学院大学3年の佐藤洸稀さんは、民間企業と一緒に新たな兵庫ブランド食品の開発に取り組み「県政150周年神戸しっとりチーズケーキ」を県内各地で販売したことを説明した。
 佐藤さんは「この貴重な体験を通じて、県のことがもっと好きになった。県職員になって若者をサポートする事業に取り組みたい」と目標を示した。
 角野教授は「皆さんが地域の主役となって、これからの兵庫をつくってもらいたい」とエールを送った。
 休憩後は兵庫ゆかりの曲ミニコンサートで幕開け。記念事業として開催された音楽劇「東西文明の出会いと兵庫の未来」で披露されたオペラ“蝶々夫人”より「愛の二重唱」「赤とんぼ」「ふるさと兵庫旅情」の3曲を古川知子さんのピアノ演奏で、水澤節子さん(ソプラノ)、鬼一薫さん(同)、諏訪部匡司さん(テノール)が歌い上げた。
 続いて、「兵庫自慢」を15ジャンルで募集し、各ベスト10への投票を呼びかけ、約3万票が寄せられた「みんなで『選ぶ』兵庫の何でも150」の結果を発表した。
 湯川カナ県広報官が会場を盛り上げながら紹介し、「私が自慢したい『兵庫の黄色いもの』」でランキングした県のマスコットはばタン、「南光ひまわり畑」より佐用町の観光振興専門員(地域おこし協力隊)吉井祐紀さんとマスコットおさよん、「砥峰高原のススキ」より神河町観光協会の早川未沙稀さん、「卵かけごはん」店「但熊」代表の西垣源正さんも登壇し、町や地域の魅力をアピールした。
 湯川広報官は、「ふるさとの魅力をもっと再発見していこう」と呼びかけた。
 また、神戸新聞社の冨居雅人販売局次長が五国の色をテーマにした同社の取り組みを報告した。
 引き続き、「五国の歴史と未来」と題して田辺眞人・園田学園女子大学名誉教授が講演した。
 田辺さんは、「150年の節目に改めて兵庫を知り、考え、誇る好機になった」と記念事業を振り返り、「五国みんな違って、みんな良い。それを持ち寄って力を発揮する。県内には日本遺産が5件ある。他府県は平均1・5件くらい。城跡も22カ所あり、日本一の数。その他にも日本一は一杯ある。これからも五国の魅力を磨き、もっと発見・発信し、兵庫の誇りを高めていこう」と訴えた。
 そして、「500年ぶりの日本文化の転換期にある」として、「室町時代後期から始まった和服や和食、畳・襖、能や歌舞伎といった日本文化が、この50年で消えていっている。これから次の50年で新しい日本文化が生まれるのではないか」と展望した。
 その上で、「次の時代の兵庫県、新しい文化を担うのは、若い世代の皆さん。明るく『すこやか』な兵庫県、日本をめざし、がんばってもらいたい」と未来の兵庫人に向けたメッセージを送った。
 フィナーレには、県立芸術文化センターの佐渡裕芸術監督の指揮・指導でさまざまな活動を展開しているスーパーキッズ・オーケストラが登場した。
 演奏に合わせて会場参加者が「翼をください」を一緒に歌い、ラストは「リバーダンス」。ポスト県政150周年のスタートを飾るファンファーレを高らかに奏でた。