<平成30年度兵庫県但馬地域合同防災訓練>
日本海地震・津波を想定 初期対応を実践
兵庫ジャーナル 2018.09.02wrote

  日本海側での直下型大規模地震・津波の発生を想定した「平成30年度兵庫県但馬地域合同防災訓練」が2日、美方郡香美町をメイン会場に但馬地域などで実施された。合同防災訓練は9月1日の「防災の日」に併せて毎年、県内各地で開催している。今回は県と但馬3市2町で構成する実行委員会が主催。メイン、サブ会場合わせて約70機関、約3万人が参加し、住民による津波避難訓練や関係自治体、消防、警察、自衛隊、医療関係機関、自主防災組織などが相互に連携した実動訓練などが行われ、防災意識の向上、地域防災力の強化に取り組んだ。
 訓練は、丹後半島を南北に走り日本海側の津波の予測に用いた際に一番影響が大きいとされた郷村断層帯が動き、マグニチュード7・3、最大震度6強を観測したと想定した。
 さまざまなケースを想定し、訓練内容の多様化を図ったのが特徴。午前11時にスタートし、香美町の七日市海水浴場沖では警察のゴムボート、海上自衛隊の船舶で津波による海上漂流者の救出救助を行い救護班に引き継いだ。海上保安庁はヘリで救助し但馬空港へ緊急搬送した。
 その後、津波発生の警報とともに海岸で見学していた住民、来賓らが近くの香住小学校へ一斉避難した。
 小学校到着後、住民らは初期消火やジャッキなど身近な用具を用いた救出救助を実践した。複数の救助機関連携による倒壊家屋等からの救出救助訓練も行われた。
 JR香住駅周辺では、県の訓練として初の試みとなる列車からの乗客避難誘導訓練を実施。津波発生により列車が緊急停車し、騒然となった乗客に乗務員が避難方法を説明、ドアが開き、乗客が助け合いながら高台へと避難した。乗客として訓練に参加した男性は「慌てず落ち着いて行動することが大切だと感じた」と災害時の対応を確認していた。
 さらに、介助が必要な高齢者ら災害時要援護者は個別支援計画に基づいて安全に避難。同町の社会福祉法人香寿会の関連施設では福祉避難所を開設した。
 香住小学校では一般避難所開設訓練を実施、隣接するスマイル香住内には福祉避難スペースを設け、配慮を必要とする避難者の受け入れに取り組んだ。
 医療処置等を要する負傷者役などとして公立八鹿病院看護専門学校、県立日高高等学校看護専攻科の学生が参加し、災害医療を実地で学んだ。鳥取市による県境を超えた応援訓練も行われた。
 また、早朝には但馬各所で住民による一斉避難訓練を実施。山間部では大雨を想定して行った。
 訓練後、香住小学校で開かれた閉会式で井戸知事は、「関係機関の連携、住民の率先行動により所期の目的を達成できた」と総括し、「今年は災害が多い。この訓練の経験を今後の備えに生かしてもらいたい。安全安心な生活の確保へ、共に努力しよう」と防災力強化へ不断の取り組みを訴えた。