全国市町村長サミット開催 兵庫で初
独自性欠落、営業感覚不足など指摘

2023.9.4

全国市長村長サミットが本県で初開催。松本総務相が自治体の積極的な活性化策を求めた

 全国の市町村長らが一堂に会して地域活性化を議論する「地域力の強化に向けた全国市町村長サミット2023in兵庫」が8月28日、姫路市のアクリエひめじで開かれた。オンラインを含め、約140自治体から首長や職員ら約540人が集い、人口急減などを乗り切る生き残り策を話し合った。翌29日はひょうごフィールドパビリオンの体験プログラム施設など、約60人が中・北播磨の6カ所でまちづくりの先進事例を視察した。
 総務省が全国8ブロックに分けて持ち回り開催しており、本県での開催は初めてとなる。
 松本剛明総務相は、デジタル変革の対応など5つの重点施策を定めたことにふれ、「地域の特徴を生かした施策を一層支援したい」とさらなる活性化策を求めた。
 また、都市から過疎地に移住して地場産品の開発やPRなどに努める「地域おこし協力隊」について、昨年度で6447人の隊員数を令和8年度までに1万人に引き上げる目標を説明した。隊員1人あたり上限480万円の財政措置を充て、1~3年の任期終了後は起業・事業継承の支援もある。
 斎藤知事は、人口減少問題について「反転は難しいが、持続可能な地域になれば存続できるはず」と見解を述べ、SDGsなどを切り口にしたフィールドパビリオンを地域振興として展開する戦略を解説した。
 神戸国際大の中村智彦教授が講演し、地方自治体の問題点や改善策を紹介した。「人口がすごい勢いで減っており、中でも働き盛りの生産年齢人口が著しい。2020年の約7400万人から30年後には2100万人も減少する」とし、高齢者や女性、外国人を活用する重要性を指摘した。
 自治体には独自性の欠落、DX導入の遅れ、営業感覚の不足などの課題を挙げ、「首長、職員、議員はオール営業員という意識を持って」と発破。魅力ある移住先として磨きをかける秋田県五城目町、教育充実に特化した岩手県滝沢市などを紹介し、「コンサル任せにせず、自分たちで考え行動を。変化の激しい時代は学ぶ姿勢が大切。大学教員を十分に活用してほしい」と呼びかけた。
 続いて、移住・定住や地域経済の活性化をテーマに分科会を実施。県内からは養父市の広瀬栄市長、姫路市の清元秀泰市長が事例発表した。