兵庫と沖縄が友愛提携50周年
次世代に連帯の絆つなぐ
島田叡氏の「命どぅ宝」今も響く

2022.01.13

両県の高校生が友愛の絆を受け継ぐことを宣言した

 兵庫県と沖縄県の友愛提携50周年を記念する「未来につなぐ『命どぅ宝』」が12月25日、神戸市中央区の県公館で開かれ、関係者ら約290人が参加し、オンラインでもライブ配信された。沖縄が本土復帰する前の昭和47年1月から続く友情の歩みや、同年11月に結ばれた友愛提携を振り返り、両県の高校生が連帯の絆を次世代につないでいくことを誓い合った。
 両県の交流は若者を中心に始まり、本県で募った寄付金で沖縄県にスポーツ施設を建設したほか、青年たちが両県で自然体験する交流事業は49年間続いており、参加者は延べ4600人を超えている。
 斎藤知事は「半世紀にわたる絆を一層深め、未来の発展につなげて」と求め、沖縄県の照屋義美副知事は「友好と友愛の精神は両県の財産。これを次世代に継承することが役割」と知事メッセージを代読した。
 記念講演では五百旗頭真・兵庫県立大理事長が、米軍上陸が迫る沖縄県に死を決して赴任した官選知事・島田叡氏について解説した。
 島田氏は神戸市須磨区の出身で、同日が生誕120年。生家は医院を営み文武に優れ、学生時代には野球部の主将としてチームをまとめた。
 五百旗頭氏は島田氏の足跡にふれ、「西郷隆盛の遺訓集を持って赴任し、まずは疎開を手がけた」と解説。一億玉砕を掲げる軍の方針に背を向け、住民を安全な北部に避難させたと紹介した。
 そして、「敬天愛人を不変の価値とした。今を生きる両県民がこの精神を受け継ぎ、共に進んでいこう」と呼びかけた。
 最後は、県立兵庫高と那覇高の生徒各3人が登壇。島田氏が若い職員に託した「生きろ」という意味の『命どぅ宝』が胸に迫るとし、「手を携え、友愛の絆を未来につなぐ」と宣言した。