<関西広域連合が第99回委員会・臨時議会>
井戸連合長が連続5選 2年間で地方分権方向付け

2018.11.21

 8府県4政令市で構成する関西広域連合は11月21日、大阪市内で第99回委員会と広域連合議会11月臨時会を開いた。委員会では12月3日に任期満了を迎える広域連合長選挙を行い、兵庫県の井戸知事を再任した。任期は2年。平成22年12月の発足以来、連続5期目となる。
 井戸連合長は「次の任期で設立10年の節目となる。関西の諸課題が目の前に掲げられており、存在が問われている。構成府県市の協力を得て、連合のあり方を求めたい」と連携強化を訴えた。
 委員会には、関西経済同友会の更家悠介常任幹事が出席、関西広域連合を進化させ、府県を存続した上で「関西州」をめざす、同友会の緊急アピールを報告した。
 広域連合長選挙は、徳島県の飯泉嘉門知事が2025年の大阪万博、来年のG20大阪サミットなどの課題を挙げ、「日本を左右する重要な時。経験豊かな井戸連合長に」と推薦し、挙手による投票で井戸連合長以外の出席委員11人が賛成、再任が決まった。
 この後の会見で井戸連合長は、「分権の突破口を開く意味では、十分な成果を上げていない。この2年間で方向付けたい」と目標を示した。
 午後の臨時議会では、14議員が一般質問。中では地方分権の推進、広域行政のあり方についての質問が相次いだ。
 神戸市の藤原武光議員は分権社会に向け、「革命的な政治のうねりをつくるべき」と求めた。
 井戸連合長は、「人口が減少しても地域が力を発揮できる社会が地方分権社会。東京に集まる歯車を地方へ逆転させるには地方が主体的に動ける仕組みが必要。国民から支援を得られる状況へと進めることが政治的なうねりとなる」と考え方を示した。
 これを踏まえて関西経済同友会の緊急アピールを例に、「今のままでは打開できないのが共通認識。分権が議論される環境が整ってきた。連合の実績の周知など、できることをしっかり積み重ねる」と意欲を語った。
 兵庫県の竹内英明議員は「広域事務では実績を上げており、今後、業務量の増加も見込まれる。構成府県市で事務の偏在が生じないよう、担当分野を見直す時期では」と指摘した。
 井戸連合長は、「各委員と検討し、適切に役割分担を果たせるようにしたい」と答えた。
 高橋しんご議員は、「歯への投資が医療費を下げる」「タバコは命と医療費を守らない」と周知を要請。飯泉知事がオール関西での啓発、積極的な情報発信を約束した。