<第340回定例県会・正副議長に松本隆弘、小西隆紀両氏>
「県民とともに新たな一歩」

2018.06.13

決意表明する松本新議長

抱負を語る小西新副議長

 第340回定例県議会が5日開会、軽自動車も食肉販売業ができる食品衛生法基準条例の改正と県営小野垂井住宅建築工事契約の議案2件が上程された。「県政150周年 未来への扉を開く」と位置付ける今年度初の定例会で、井戸知事は「地域の未来を考える記念事業の趣旨が着実に広がることを」と県民総参加を強調した。

 8日は、自民、公明、県民連合、維新4会派4議員が代表質問に立ち、県政150周年を踏まえた未来志向の県政運営、県庁の生産性革命などを求めた。11日の一般質問には5議員が登壇。13日は議案2件、意見書7件を可決、人事案件4件に同意するとともに、正副議長選挙を行い、第121代議長に松本隆弘議員(56)(自民・4期・明石市)、第126代副議長に小西隆紀議員(52)(自民・3期・篠山市)を選出し閉会した。

 5日開会日、提案説明の中で井戸知事は、平成29年中の出生数が目標の4万4千人を下回る4万2千人台となり、転出超過も2年連続で改善したものの、6千657人と20代を中心に依然として人口の流出が続いていることを報告、このため、「地域創生の取り組みには住民に身近な市町との連携が欠かせない。県独自の地域創生交付金の第1次対象事業を採択した。工夫を凝らした多様なもの。市町が主体的に取り組めるよう支援する」と実効性ある推進を約束した。
 また、6月15日から施行される民泊法について、「本県には5件の届出があった。制限区域や期間設定など適正な運営を図る条例に基づき、生活環境の悪化やトラブルの発生防止に努める」と述べた。
 今年度が最終年度となる行財政構造改革については、「県民の理解と協力のもと取り組んできた。29年度決算は実質収支、実質単年度収支とも前年度を若干上回る水準の黒字を確保できる」と収支均衡など財政運営の目標が達成できる見込みであることを説明。「これまでの改革内容と成果を検証する作業に着手している。県議会との協議、行財政構造改革審議会での審議、県民会議や市町等の意見を踏まえながら、行財政運営の新たな枠組みを検討する」と方針を示した。

 8日の代表質問で、自民・浜田知昭議員は「不透明感が広がる今こそ、兵庫の未来と進むべき方向を県民とともに考え、展望することで、現代に生きる県民それぞれが夢を描けるようにしなければならない」と主張した。
 その上で、策定作業中の31年度以降の行財政運営の枠組みについて、「削減ありきではなく、財政指標や基本方針を定めるにとどめ、『兵庫2030年の展望』の実現に向けた柔軟な県政運営を」と要請した。
 井戸知事は「兵庫の未来づくりに向けた施策の方向性も示し、総合的に取りまとめ、新たな条例制定も視野に行財政運営方針として策定する。適切、柔軟な県政運営を推進し、県民の期待に応える」と方針を語った。
 公明・越田浩矢議員は、ポスト行革のあり方としてICTなど最先端技術の飛躍的な進歩を見据えた対応の必要性を強調、行政業務においても「ICTを一層活用し、県庁の生産性革命を推進すべき」と訴えた。
 井戸知事は、「ポスト行革の取り組みとして、制度自体の改正や規則・慣例の見直しなど仕事のあり方を抜本的に見直す。その過程でデータとICTを有効活用する」と県庁の生産性革命に賛同した。
 県民連合・迎山志保議員は、県が5月に設置した規制改革推進会議について、「行政手続簡素化の視点も審議対象に、改革が県民利益に直結することを強く意識したものに」と注文をつけた。
 行政手続きの簡素化へ井戸知事は、市町や団体からの提案に適切に対応するとし、「規制改革を進め、地域創生につなげる」と意欲を示した。
 維新・住吉寛紀議員は「県庁で女性が活躍できる環境整備を」と率先行動を求めた。井戸知事は庁内男女共同参画ワーキンググループの設置、若手職員による推進リーダーの配置など具体の取り組みを説明した。

 13日の議長選挙は出席議員数86のうち無効2票、松本隆弘議員79票、ねりき恵子議員(共産)5票となった。松本新議長は、「兵庫の新時代を切り拓くため、当局、議会、県民がともに考え行動し、新たな一歩を踏み出す重要な時」と強調、「6月10日は『時の記念日』だった。時間は貴重な宝物、未来はすでに始まっている。兵庫の素晴らしい未来に向け、歩みを止めることなく、議会の活性化に努め、県民の負託に応える」と、ふるさと「子午線のまち明石」への思いをにじませつつ、決意を表明した。
 副議長選挙は、小西隆紀議員45票、松田一成議員(公明)41票で小西議員が選ばれた。小西新副議長は「『行動は明日のために』の言葉を胸に地域創生を進める。議会広報委員長として多彩な広報活動を行い、開かれた議会の実現、議会の信頼を高め、県政の発展に取り組む」と意欲を示した。