<井戸知事が年頭あいさつ>
「兵庫自らが未来を創る」

2018.01.08

県・県会・関係団体579人が新年交礼会 150周年へカウントダウンボード

 「兵庫自らが未来を創る。そのことが問われる一年となる。厳しいからこそ情報を共有し、みんなで歩けば突破できる気概を持とう」―官公庁などで仕事始めの4日、県庁では午前10時から西館大会議室で井戸知事が年頭のあいさつでこう語りかけた。本庁の管理職約3百人を前に県政150周年を迎える平成30年兵庫県政の施政方針を伝えた。
 「明治維新からも150年。当時の人々は誰も未来の設計図を描けなかったはず。しかし、自立国家をつくるため、何をすべきか考え、行動した」と、まず、先人の国づくりにかけた思いを馳せた。
 そして、昨年12月中旬、友好提携35周年を機に訪問した中国・広東省について、「締結時は兵庫県の方がGDPは大きかったが、今や5倍以上の差をつけられた」と経済成長に賛辞を示し、「AI、IoTの最先端を走り、注目されている。そのことに意外と気づいていなかった。未来は、やはり今を生きる私たちが創るもの。世の中の状況を見極め、改めて感じた」と印象を語った。
 その上で、将来のキーワードとして「リデザイン、再定義」を掲げた。ロボット掃除機を例に「掃除をするための道具ではなく、掃除をする機械である。道具の高度化を突き詰める日本人の発想では発明できない」と既成概念を再考察する必要性を指摘、「組織も一つの概念にこだわりすげきてはいけない。節目の年を機に、我々も県民ニーズや期待に応えてきたか考えなければならない」と求めた。
 「経営と管理は違う。管理はうまく進んでいればそれでいい。経営は物事を決めリスクをとる。中間層の職員も経営センスを持てば組織全体の活力は変わる」と促した。
 さらに、「持続して地域特性を持ち続け、それぞれの地域が自立している兵庫は、まさに日本のミニチュア」と分析し、「明治維新の頃に立ち返り、150年経った今からも出発させていく。地域性を持ちながら発展してきた県だからこそ、県民局・センター単位で、特色を発揮した活動に期待している」と訴えた。
 最後に「日本全体が大転換期を迎える中、一つの兵庫からの提案という形で臨む年にしたい。協力、自発的な活動を」と期待した。

県・県会・関係団体579人が新年交礼会
150周年へカウントダウンボード

 県幹部、県議会議員、関係団体代表らが一堂に集う新年交礼会が4日午前、県公館で開かれた。579人が出席、県政150年の節目の年にあたり新たな兵庫のスタートを誓い合った。
 あいさつで、井戸知事は「『兵庫の未来は自分たちで創る』ことを県民とともに誓う年に」と呼びかけた。黒川県議会議長は「昨年は常任委員会の地域開催や大学生との意見交換会など従来の形にとらわれない議会改革に取り組んだ。これらを高めつつ改革を加速させる」と決意を述べた。
 金澤副知事の発声で乾杯後、県の誕生日7月12日までの日数を知らせるカウントダウンボードの除幕式があり、井戸知事と黒川議長がロープを引き披露、握手を交わし両輪での県政推進を確認した=写真。今後、県庁2号館1階ロビーに掲げ、来庁者や職員の機運醸成に役立てられる。