<県会定数委・前期委結論の扱いが焦点に>
「地域代表の確保」で隔りも

2017.12.04

 平成31年4月の県議選へ向けて定数、選挙区のあり方などを検討している「県会議員定数等調査特別委員会」(山本敏信委員長、12人)は11月27日、第6回目の会合を開いた。
 10月の第5回会合で、自民党が追加意見を提案した「地域における代表確保」「地域間の均衡を考慮した選挙区別議員定数」について、公明党・県民会議、ひょうご県民連合、維新の会、共産党が意見を表明した。
 前期定数委では、国調に基づく配当基数が0・5を下回っている「養父市選挙区」について「平成31年改選時から特例選挙区の規定を適用せず」として、隣接市町と合区することを条例附則に明記した。
 これに対し自民加田委員が、「人口減少に伴い、地域を代表する議員が出せなくなれば、県政に多様な意見を反映させにくくなる」と合区へ検討を求めた。また、地域間の均衡に関連して、西播磨、但馬で0・5未満、0・5をわずかに上回る選挙区が目立つことから「何らかの手段を講じ、バランスのとれた地域代表の確保が必要」と提案していた。
 公明北条委員は「特例選挙区は、その都度十分に議論し結論を出してきた」と認識を示し、「合区した選挙区で不都合な事例や課題が生じるといった事情を明確にしなければ、前期委員会の結論を覆す理由にはならない」と指摘した。
 県民連合石井(健)委員は「全国6カ所の特例選挙区のうち3カ所が本県にある状況は、県民の要請に議会が応えていないように受け取られる恐れがある」と懸念を示し、「地域の声を的確に県政に届ける代表確保のあり方について有識者を交えて検討していくべき」と提言した。
 また、維新中野委員は「地域の代表確保は大事なこと」としつつも、「強制合区になっても議員はいなくならない。議員数は人口基準とするべき」と1票の平等を論旨とした。
 共産練木氏は「多様な民意を反映するためにも定数増を行うべきだが、特例区の解消は必要」と表明、「かつての法定数上限110人とした場合でも、養父市の配当基数は0・483である」と主張した。
 過去の委員会も通じて、これまでの議論を見てみると、合区対象となる選挙区はほとんどが自民党の議員が占めている。過半数確保を至上命題とする同党にとって、簡単に譲れない事情がある。
 参議院での合区問題で1票の較差を尊重しつつも、府県の代表確保の点から疑義が出されていることも踏まえた提起になったものと思われる。
 その一方で、「理由には一定の理解はできるが、前期委員会の議決を覆すことには抵抗なしとはしない」と述べる議員もいる。
 今後、意見集約に向けた議論が進むが、"落とし所"を見い出すには、難産も予想されている。